研究設備紹介
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衝撃波管(Shock Tube)

内径:62.5mm,駆動部長さ:3000mm,測定部長さ5900mm,光学計測用窓付きの衝撃波管.真空引きされた計測部とは隔膜で隔てられた駆動部は高圧ガスを充填し,その隔膜を破ることで駆動部から噴出するガスによる衝撃波で計測部末端を瞬時に高温高圧状態にできる.蒸気圧の低い試料ガスの凝結を防ぐために電気ヒーターを使い測定部全体 は200℃まで予熱が可能.現在はディーゼルすすの生成と酸化のメカニズムを解明するため、実際のエンジンの排気ガスを直接導入し、酸化中のすすの直接サンプルおよび、二色法を用いて実験を行っている.


急速圧縮膨張装置(RCEM: Rapid Compression Expansion Machine)

実験条件に応じて様々なボア径を持つ燃焼器を取り付けることができるストローク:150mmの油圧駆動式の急速圧縮膨張装置.RCEMとはRapid Compression and Expansion Machineの略.エンジンにおける吸気→圧縮→膨張→排気の行程を1サイクルだけ模擬することができる.通常のエンジンのようにサイクルを連続させないため冷却系を簡素化でき,光学計測には有利となる.現在はガソリンエンジン,ディーゼルエンジンの壁面熱損失機構の調査およびディーゼル噴霧の混合過程の解明を行っている.


コモンレール単気筒ディーゼルエンジン

ボア:89mm,ストローク:100mmのコモンレール単気筒直噴ディーゼルエンジン.ソレノイドインジェクタによる燃料噴射系の制御と,過給機,外部EGR,油圧式可変動弁系(内部EGR)による吸排気系の制御 をそれぞれ独立に行うことができ,さらに排気弁のひとつを観察窓に置換し,トップビュー方式の可視化エンジンとしても機能する.現在は燃焼制御による過渡運転における排気浄化と,光学観察による過渡運転における筒内のすす生成過程の調査を行っている.


排気後処理模擬装置

マスフロコントローラを用いてモデルガスの流量,濃度を制御している.還元剤である炭化水素はインジェクタを用いて触媒入口に供給し,複数の噴射パターンを再現できる.また,温度の設定に高低温2つのヒーターを用いることで素早い温度変化を可能にし,定常だけでなく過渡制御を可能としている.現在は定常,過渡状態におけるHC-SCRシステムのNOx浄化能力を調査している.


ノズルシート部摩耗試験装置

ノズルシート部を300℃以上まで電気ヒーターで加熱可能な6つのコモンレール式燃料噴射装置をもつ.装置内部を不燃性ガスで充填することで燃料を燃焼させない燃料循環式.現在、更なる加熱温度向上を目指し装置を改良するとともに、ディーゼル燃料噴射装置のノズルシート部の摩耗・変形に及ぼす噴射条件の影響や、生成されるデポジットについて調査している.